絵本の対象年齢についておもうこと

絵本の対象年齢

絵本って、ジャンルもテーマも、画風も内容も本当にたくさんありますよね。

どんな絵本を選んだらいいか、迷ってしまうことはありませんか?

 

その絵本選びの基準になる一つに、対象年齢というものがあると思います。

今日は、その絵本の対象年齢について、息子との体験の中から感じたことを書いてみたいと思います。

 

まず、絵本の対象年齢というのは、出版社さんが決めているらしいです。

きっと、たくさんの経験値から出てきたものなのだと思います。

けれど、絵本の対象年齢って絶対にその月齢、年齢にならないと読めないということではないと思います。

私が思うに、絵本を食べ物に例えるなら、

絵本の対象年齢というのは、その料理の美味しさを味わって食べることができる年齢という意味かなぁと思うのです。

 

以前にも絵本を食べ物に例えたことがありますが、

離乳食をはじめて、順番に食べられるものの種類や形状が変わっていって、手づかみからスプーン、お箸へとステップアップするように、

絵本も出て来るアイテム、物語の内容や構成など、その年令の子どもたちに一番わかりやすい、たのしみながら読める絵本というものがあるのだと思います。

 

だから、まだ離乳食の子どもにステーキを与えても、栄養になるどころか飲み込めません。

絵本も、その子の「今」をちゃんとふまえた絵本選びができると、絵本をもっと子どもたちが楽しいと感じることができるのではないかと思うのです。

 

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子どもの心の世界と絵本

私が、絵本の対象年齢について考えるきっかけとなった絵本があります。

それは、『おしいれのぼうけん』という1冊の絵本。

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

おしいれのぼうけん (絵本・ぼくたちこどもだ)

 

 

この絵本を借りようとして予約していた時は、毎朝、3歳すぎの息子が保育園に行くことを嫌がって格闘している時期でした。

当時、なにが嫌なのかわからず、あの手この手で息子の気持ちを聞き出したり、お話をしたり、遊びの中で何かのヒントを得たりしていました。

その一つとして、絵本も借りてきて読んでいたのです。

 

この絵本、対象年齢としては裏表紙に小学校低学年とか書かれています。

中もカラーの絵本というよりは、白黒の文章の多い絵本です。

「3歳では無理かな」

「絵本選び失敗したかな」と思いました。

 

そう思いながらも、一度読んでみようと絵本を開くと、

息子はなんと最後までずっと集中してお話を聞いていました。

「保育園には怖いものが2つあります。ひとつは、ねずみばぁさん、もうひとつは押入れです。」

 

たまたま、本人が好きな蒸気機関車が出て来るとか、ネズミ婆さんが怖い存在でインパクトがあったとか、理由はあると思います。

けれど、3歳のこどもをその世界の中に取り込む絵本のちからって本当にすごい!って私は感動したのです。

 

子どもの心って単純なのか複雑なのか。

言えることは、とても純粋で繊細だということ。

 

この絵本の中で、悪いことをして押入れに閉じ込められる男の子2人。

途中から、押入れの中は、子どもたちのファンタジーの世界へと拡がって、空想の中の先生や自分たちの嫌いなもの怖いものたちから逃げ、「自分」を主張していく闘いへと物語は発展していきます。

並行して、先生たちの心が変化し、他の園児たちも2人の冒険を見守ります。

 

押入れ、それは誰もが心の中にもっているファンタジーの世界への通路。 

大人にとったら、なんでもないようなことが子どもの心には大事件。

子どもって、現実の出来事と心の中の世界が大人よりもスーッと一体になりやすいのだと思います。

そんな子どもたちの体験世界を絵本はよくよく表現してくれているなぁと感心します。

 

その子の中の心の世界、ファンタジーの世界が変わると、それに合わせて、現実の世界、見えている生きている世界が変化します。

 

息子は、この絵本の中の「男の子たちの冒険」の意味をどこかでちゃんと理解し、一緒に冒険していたのだと思います。

息子にとって、保育園という場所がどういう場所なのか、先生という存在がどういう場所なのか。

言葉にすることはまだまだ難しいけれど、息子なりに心いっぱい感じ取って生きているのだということを、私もこの絵本を読んで感じることができました。

息子の中で、保育園という場所、先生という存在のもつ意味が変化したのか、保育園へ行くことを今は嫌がることはなくなりました。

 

絵本の対象年齢という意味では、まだ早すぎる絵本だったかもしれません。

けれど、ちゃんとよい絵本というのは子どもの心に届くのだということを実感しました。

絵本の対象年齢というのは、その子の実年齢もあるけれど、その子の心が今いきている場所・ポイントをちゃんと把握してあげることが大切なのではないかと思いました。

そこが合っていれば、子どもたちは年齢に多少ずれがあっても、絵本という世界を十分に楽しみ、ファンタジーを生きる心の力をきっともっています。

 

『押し入れ冒険』を含む、他の絵本を以下の記事で紹介しています。

よかったら読んでください。

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