レオ・レオニ『みどりのしっぽのねずみ』あなたはどんな仮面をかぶってる?

今月のレオ・レオニのカレンダー

2017年、わが家のカレンダーはレオ・レオニの絵本のカレンダーです。

毎月、カレンダーに掲載されている絵本と同じものをせっかくなので読んでみることにしています。

今月、10月の絵本は『みどりのしっぽのねずみ』です。

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さっそく、図書館で借りて読んでみました。

 

みどりのしっぽのねずみ

この絵本、副題に「かめんに とりつかれた ねずみの はなし」とあります。

何やら不思議な題名です。

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 森の奥に、のねずみたちが平和に暮らしていました。

あるとき、街からやってきた一匹のねずみが通りかかりました。

のねずみたちは、街の話をしてほしいとねずみに頼みます。

ねずみは、「マルディ・グラ」という懺悔の火曜日にするパレードの話をしました。

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それを聴いたのねずみたちは、自分たちもマルディ・グラをしようと言い出します。

みなは一生懸命用意をし、おそろしいけだものの仮面も作りました。

夕方皆は集まります。

仮面をかぶり、脅かし合って踊ります。

そして・・・

「すこしずつ、みんなは じぶんたちが かわいらしく、おとなしい ねずみであることを、わすれはじめた。」

「うたも おどりも、たのしくやることも わすれた。みんな じぶんたちが、ほんとうに おそろしいけだものだと おもいこんだ」

だれもがだれもを怖がった。

それからの毎日、かつて平和だったのねずみたちの村には憎しみと疑いがうずまいた。

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しばらく経ったある日、また一匹ののねずみが村にやってきました。

仮面をかぶったねずみたちは怯えて逃げます。

「なにをこわがっているんだい? ほんとうのねずみが どんなすがたか わすれたのかい?」そのねずみは言いました。

 

その晩、みんなは仮面を燃やすことにしました。

焚き火が消える頃には、誰も何があったか思い出しもしなくなりました。

一匹のねずみに、誰かがどうしてしっぽが緑なの?と聞くと、

ねずみは「私はマルディ・グラで緑のしっぽのねずみだったの」とだけ答えたのでした。

 

ペルソナと自分自身

今回の絵本も、とっても奥が深そうで子どもというよりも大人が考えさせられる絵本でした。

とっても不思議で、どう理解したらいいのかなぁって読み終わって考えました。

 

仮面をかぶって、踊ったり歌ったり、人を怖がらせるお祭りをしていたはずが、

いつの間にか本当にお互いを怖がらせ、怖がり。

 

この仮面って、ペルソナ。

自分が普段かぶっている仮面。

役割だったり、周囲から求められる自分だったり、作っている自分だったり。

その仮面は、仮面だと思って付けていることもあれば、気づかないうちに仮面は「自分」になっていることもある。

人との関係も、そうした仮面に取り憑かれているとおかしなことになっていくのかもしれません。

怖れや憎しみや・・・

仮面を燃やすってシーンは、とても象徴的な気がしました。

のねずみが来たとき、怖がって逃げたねずみたち。

のねずみは、仮面をつけていない普通ののねずみでした。

仮面をつけていない自分の本来の姿を見て怖がるってことですよね。

とっても不思議だけど、そうなのかもしれません。

私たちは、仮面をつけ、何かから身を守り。仮面に乗っ取られて、何かから逃げているのかもしれません。

 

私もたくさんの仮面をもっています。

お母さん、妻、仕事の役職、〇〇さんはこういうタイプだよね・・・

仮面を脱いだ私を自分自身が忘れてしまわないようにしたい。

必要なときには、仮面の下にある相手の顔をちゃんと見ることができる人でいたい。

そんなことを考えた絵本でした。

 

▼絵本選びの参考に

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