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絵本の記憶・・・
私が子どもの頃、両親が絵本の定期購読をとってくれていました。
定期的にダンボールに入った絵本が家に届くと、玄関のすぐそばにある本棚に新しい絵本を並べていく。
絵本を本棚に並べたり、絵本が並んでる本棚を眺めているのが好きでした。
時々、廊下に座り込んでペラペラと絵本をめくっていた記憶。
実家の風景で心に残っているものの一つが、この絵本棚のある廊下です。
そして、絵本の記憶といえば、
毎晩のようにそこから同じ絵本を選んでお母さんにお布団の中で読んでもらってたお話。
自分で何回も読んで、暗唱してしまった絵本。
そんな絵本の中から、今回は今も手元にある3冊の絵本を思い出の絵本として紹介したいと思います。
みなさんは、どんな絵本の記憶がありますか?
『ぶんぶん・ぶるるん』
「みつばちチクリと雌牛を刺した」というシーンから始まり、牛がミルク搾りのおばさんを蹴飛ばして・・・と次々お話が連鎖して続いていきます。
内容は今読んでみると、イライラ負の連鎖のようで、うーんという感じがありますが。お話のしりとりのような構成になっています。
当時の私は、この絵本のリズム感のようなものが好きで、歌のように絵本を読んでいました。
絵も、数色の色の組み合わせで描かれたバイロン・バートンのはっきりとした色使いの絵で見やすい絵本です。
『三びきのやぎのがらがらどん』
作:マーシャ・ブラウン、せたていじ 福音館書店
怖いトロールの住む谷底の上の橋を3びきのやぎたちが渡っていくお話。
絵が怖いのだけど、美しいという感じで、大人になっても印象に残っている絵本です。
何と言ってもこの絵本の思い出は、この絵本を読んでくれるときの母親の声。
トロールの声が当時の私にとっては、本物のように怖く聞こえて、怖いのだけどドキドキして毎晩読んでもらっていました。
『ジャイアントジャムサンド』
作:ジョン・ヴァーノン・ロード、安西徹雄 アリス館
はちの大群がある村にやってきて、困った村人が大きなジャムサンドを作って、鉢を退治するというお話。
村人が総出で、ホースで水をまいて粉を練り、倉庫いっぱいに並べたオーブンで大きな大きなパンを焼きます。
パンを切って野原に運び、トラクターでジャムを塗って・・・
そんなスケールのジャムサンド作りを想像しながらワクワクして本を読んでいました。
最後は、ハチがいっぱい挟まれたジャムサンドをカラスたちが運んで行って、大宴会を続けましたという下りも、小さいころの私はあれこれ想像して楽しんでいました。
400万匹のハチの大群。
そのハチがジャムにくっついているサンドイッチ、想像すると恐ろしい・・・。
子どもと絵本
子どもたちにとって、絵本は絵本そのものの思い出と、絵本を読んでいた時の風景というか、絵本を読んでいる自分の背景と一緒に記憶されるような気がします。
どんな時に、どんな場所で、誰と、どんなことを感じながらその絵本を読んだか。
子どもの絵本の背景に今のお父さんお母さん、家族や友達との毎日の暮らしがあります。
絵本を読む子どもを、そっと抱えてあげられる環境があることは、とっても大切なことなのでしょう。
どんな絵本の記憶が息子のの心の中に残っていくのか、そっと見守っていきたいと思います。
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